|
はじめに
|
今日、いじめ、暴力行為、ひきこもり、凶悪犯罪の増加など青少年をめぐり様々な問題が発生し、深刻な社会問題となっています。こうした問題の背景には、思いやりの心や社会性など豊かな人間性が青少年に育まれていない現実も大きくかかわっていると考えられています。
平成14年7月の中央教育審議会答申「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」では、青少年の豊かな心を育むために、学校内外を通じて奉仕活動・体験活動の機会の充実を図る必要があることなどが提言されています。特に、答申の最後には「国民一人一人が奉仕活動・体験活動の意義を理解し、身近なものとしてとらえ、日常生活の一部として継続して取り組んでいくためには、社会全体でこれらの活動を推進していく機運を醸成していくことが不可欠である」とあります。
そのような中、本県では、「青少年地域体験活動推進事業」「豊かな体験活動推進事業」などの様々な事業を展開していますが、平成16年度は特に、平成13年度より実施してきた「いきいきあいちっ子キャンペーン」の成果を踏まえ、奉仕活動・体験活動の機会の拡充に係る社会的機運の醸成を図り、もって青少年の健全育成に資することを目的として、「いきいきあいちっ子キャンペーン体験活動の日」を実施しました。この事業では、11月の強調週間において、一斉に奉仕活動・体験活動関連行事が展開され、その関連行事の中で、子どもたちへの様々な体験活動の機会の提供等を通じて、家庭や学校における子育てや教育を社会全体で支援できる体制の整備を図ることができ、多大な成果をあげることができました。
本報告集は、教育事務所や実践小中学校の多くの先生方に御協力いただき、他校のモデルとなる特色ある事例をまとめたものであります。この報告集を子どもたちに奉仕活動・体験活動の機会を提供する際の参考として活用していただければ幸いに存じます。
なお、本年度をもって、いきいきあいちっ子キャンペーンは終了となりますが、キャンペーンを通じて訴えてまいりました、「やさしい心を持ち、善悪の判断ができる、いきいきとした、たくましい愛知の子どもたち」を社会全体で育んでいくことの重要性は、今後も引き続き、様々な形で訴え続けてまいりたいと考えております。
今後も、青少年健全育成に関わる本課関連事業への御協力と御支援をよろしくお願いいたします。
平成17年3月
愛知県教育委員会生涯学習課長
長谷川 純一
|
|