ことばの万国博覧会「アメリカ館」 
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北アメリカの先住民のことば―表現と認知の特性― クリーク語<マスコギ語族:アメリンド>

翻訳・資料提供者:榊原千絵(The Univ.of Oklahoma)


盛田義彦先生

盛田義彦先生

 今日は簡単なものについては皆さんと一緒に発音を練習し、ナバホ語とのやり取りもやってみたいと思います。

 ○挨拶○(初対面)
ナバホ語 :「こんにちは佐々木です。あなたは?」 Yá'át'ééh.(ヤアテ) Sasaki yinishyé. Nishą'? (ササキ イニシエ、ニシャ)
クリーク語:「森です。よろしく。」 Mori os. Enhessetv(モリ・オ‐ス。インヒシタ)

 ○別れの挨拶○
ナバホ語 :「さようなら」 Hágoónee'.(ハゴオネ)
クリーク語:「さようなら」(対象が単数) Cehecares(チヒ‐カリ‐ス)

このクリーク語の挨拶は、相手が1人の時に言います。
もし相手が2人や3人(対象が複数)の時には、 「さようなら」は Cehecvkares(チヒ‐チャ‐カリ‐ス)です。

発音に関して説明すると、真ん中辺りに「v」の字が書いてありますが、これは母音を表していて「あ」という音です。

 ○お礼○
クリーク語:「ありがとうございます」 Mvto(マト‐)
ナバホ語 :「どういたしまして」Hágoshįį(ホゴシイ)

 ○数○(クリーク語)
1 hvmken(ハムキン), 2 hokkolen(ホッコ‐リン), 3 tutcenen(タッチ‐ニン),
4 osten(オ‐ステイン), 5 cahkepen(カ‐キ‐ピン), 6 epaken(イ‐パ‐キン),
7 kolvpaken(コラパ‐キン), 8 cenvpaken(チナパ‐キン), 9 ostvpaken(オスタパ‐キン),
10 palen(パ‐リン), 100 cokpe-hvmken(コクピハムキン),
1000 cokpe-rakko-hvmken(コクピ・ザッコ・ハムキン),
10000 palen-cokpe-rakko-hvmken(パ‐リン・コクピ・ザッコ・ハムキン)

100と1000を見比べて下さい。1000には「rakko(ザッコ)」という単語が接中辞で入っています。これは「大きい」という意味です。つまり、1000は大きい100と言っているのです。それから1万は、1000の「cokpe-rakko-hvmken(コクピ・ザッコ・ハムキン)」に「palen(パ‐リン)」が付いています。「palen(パ‐リン)」は10ですので、10×1000と言っているわけです。

 ○疑問のことば○
クリーク語:「これは何ですか?」 Naket hehcetska?(ナキット・ヒヒチチカ‐)

Naket(ナキット)」が「何」です。「hehcetska(ヒヒチチカ‐)」が「これ」という意味の単語です。

クリーク語:「今、何時ですか」 Oketv owv(オキタ・オ‐ワ)
クリーク語:「午後9時です」 Hvse-vkerkv ostvpaken os(ハシアキ‐ルカ・オスタパ‐キン・オ‐ス)

「Hvse-vkerkv(ハシアキ‐ルカ)」は英語でいうo’clockにあたります。「ostvpaken(オスタパ‐キン)」は先ほどの数字のところで出てきましたが、9です。「os(オ‐ス)」は「〜です」という英語のbe動詞にあたるような単語です。

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