![]() |
![]() |
このBMIの求め方は、「体重(kg)÷身長(m)の2乗」です。身長の2乗ということは、身長で2回割るということです。この求め方で出た数値を22と比較します。右の「BMIと体脂肪率」という図を見て下さい。大体、BMIが18.5から25未満の人を普通体重、25以上の人を肥満と言っています。そして、体脂肪率は男性の場合がおよそ15%〜20%、女性の場合が20%〜25%を普通体重と言っています。したがって、これ以上の方は肥満、あるいは肥満傾向ということです。
また、BMIと体脂肪率の関係について次のことが言われています。
●BMI25以上でも筋肉が多く、体脂肪率が低い「固太り」は肥満ではない
つまり、普段良く運動していて筋肉隆々とした方です。
●BMI25未満でも体脂肪率が高い人は「かくれ肥満」
私は今、大学でスポーツ実習という授業も行っているのですが、その時に学生の体脂肪率をはかったら、体重は標準または標準以下でも、体脂肪率が30%という女子学生が非常に多かったのです。それを見て学生自身が驚いていました。これが予想以上に多かったので、私も驚きました。
●BMI25以上で余病を持っているか、放置しておくと将来病気を併発しそうな場合を「肥満症」とよぶ
ここで、22という数値が非常に気になるところだと思います。なぜ22なのかというのは、アメリカの保険会社がこのBMIを使って調査をした時に、一番病気にかかっていない人の割合が高かった数値が22ということなのです。もちろん、骨が太い人・細い人等いろいろですので、22ちょうどというわけにはいきませんが、大体22を中心にして、その前後で先ほどのような18.5〜25という数値が出てきたのです。これはアメリカで行われた調査の数値ですが、日本でも明治生命が同じように日本人について調査を行っております。日本人の場合には23という数値が、最も病気にかかった人が少なかった数値として報告されていますので、日本人は少し高い方向に数値があっても大丈夫なのかなと思っております。
![]() |
「脂肪が腹回りにつくのがリンゴ型。男性に多く、病気に関係している。若い女性の洋ナシ型はそう問題ではないが、更年期を過ぎて太ってくる女性はリンゴ型が多い。男女ともリンゴ型は要注意だ。CT検査でみると、内臓脂肪がびっしり付いているケースが多い。」
と書いてあります。なぜ、男性はリンゴ型が多いかというと、社会人の男性の方は思い当たることが非常に多いと思います。特に日本人は、仕事が済んだ5時以降に会社関係を中心にした飲食関係の付き合いが多いということで、こういうリンゴ型になる傾向がアメリカやヨーロッパよりも多いと言われているのです。
全体的に肥満傾向にある男性に比べ、若い女性のBMIは減ってきています。これは、世界的にも驚くべき異例の傾向なのです。体重に対する意識が高く、体重が普通あるいはやせ気味であっても、なお「より細く」と考えている人が多いためと見られます。日本でも、スタイルが良いということで痩せたい女性が非常に増えてきているのですが、体にはあまりいいことではありません。マラソンで有名な高橋尚子選手が3年ほど前、練習を休んでいる時に身体がふっくらとしてきたことが週刊誌で騒がれました。その後、高橋選手の身体にとっては大事なことだと、運動生理学の専門家が指摘したのです。やせが過ぎると生理が不規則になったり、低血圧・低体温、筋肉の衰えなど本来の体でなくなります。特に思春期に尻や太股につく脂肪は妊娠、出産に備えた大事なエネルギー源なので、無理なダイエットは禁物なのです。
そして最近、肥満も美しいのだという考え方が少しずつ出てきています。イギリスの有名なタイムスという新聞社が出す雑誌や新聞に、最近は痩せてスタイルの良いモデルの人たちだけを載せるのではなくて、標準よりかなり体重のある、ふっくらした人を雑誌のモデルに使ったりしているようです。