「国際文化」とは?A環境をめぐる「伝統の知」の再編と世界システム 
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ペルーについて

 ペルーのことをあまり知らない方もいると思いますので、少しその歴史的背景についてもご紹介したいと思います。
 コロンブス(クリストバル・コロン)が新大陸に到達したことによって、アメリカ大陸の社会と文化は大きく変わってしまいました。先住民にとっては、その後の屈辱的な歴史の始まりになってしまったというわけです。
 現在のペルーを中心にアンデス地域を統一していたインカ帝国は滅びてスペインの植民地になりました。その後先住民の人たちは大変な苦労の道を辿ることになります。国としては、スペインの植民地ということになりますが、アンデスの山中での生活がそのまま続く地域もあるのです。今日はその地域の中でも、特にリャマやアルパカを飼っている牧民の人たちを後で紹介したいと思います。

マチュピチュ遺跡

クスコ市

 アンデスの優れた古代文明の跡は遺跡として残されています。インカのマチュピチュという遺跡は1911年まで発見されなかったので、非常によく保存されています。それに対して、インカ帝国の首都だったクスコは、現在ではスペイン様式の町に作り変えられています。

ビクーニャ

ビクーニャ 

 ペルーの植民地化によって、数の上では現在も先住民の人たちが過半数を占めているのですが、社会的には劣位に置かれるという状態が続いてきました。国の支配層としてはスペイン系を中心とする白人、その次に混血の人たち、そして先住民の人たちとなります。そういう社会構造ができてしまったということなのです。

 こうして、インカの国家的なシステムや国家の宗教、例えば太陽の信仰などは失われてしまいましたが、日々の生活は残りました。今日は、インカ時代に行われていた『チャク』と呼ばれる大規模なビクーニャの捕獲が、どうしてまた始まったのか、ということを考えてみたいと思います。





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