輝け あいちっ子 
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(2)地域社会が子どもを育てる
地域の人とのふれあいの多少と地域活動への関心  子どもが成長していく場は、学ぶ学校、暮らす家庭、それに、ともに住む地域のいろいろな人とのかかわりが相互に関連し合ってつくられています。学校や家庭と違って、地域とは「いろいろな異なるものが一緒にいる場」といえます。
 友達の家に遊びに行った時に感じた「よその家」の姿に一種の驚きや発見があったことを、大人になってからも覚えていることがあります。「決まり」や「考え方」にわが家とは違ったものを見つける新鮮さです。「家の外」に教えられるものの多いことを、みんなで考えたいものです。
ア 地域で育てる
(ア)人間関係の基本の場
 「家の外」には、いろんな考え方、立場があり、独りよがりでは暮らせないことを子どもながらにも知ることになります。かっては、親類縁者も近隣に住んでいて父母の兄弟姉妹やその家族の行き来、従兄弟姉妹との遊びもありました。この頃では、そういった地域の姿は少なくなりました。しかし、地域社会は、社会への第一歩として、人間関係の基本を身につける大切な場であることに変わりはありません。
(イ)地域の人を知る
 かっての家業型の仕事から現代ではサラリーマン型の仕事に変わってきています。それでも地域には様々な経験・技術を持った人たちがいます。そんな人たちの話を聞くことが子どもたちの考えを広くし、地域への愛着にもつながるでしょう。また、郷土に関係する歴史上の人物、偉人の話も、子どもたちの興味の窓を広げてくれます。
(ウ)縦の関係、横の関係
 家庭での子育ては、親子の関係を基本としたものですが、地域社会では、老若の年齢差や立場の強い人、弱い人、様々な人間関係があります。同年齢の仲間の中にもまた、様々な人間がいることに気付きます。家庭では得られにくい部分の人間関係を地域の広がりの中で学ぶことは、人としての協調性、社会性、命の尊さ、弱者への思いやりなどを身につけることにつながります。
イ 地域を育てる(新しい地域社会の創造)
 いくつもの家庭が集まって地域社会があり、その中で助け合い、様々な恩恵を受けます。一つの家庭だけでは人間性豊かな暮らしとは遠いものになってしまいます。地域の中で、豊かな人間関係を作っていくことは「持ちつ持たれつ」のお互いのためです。そこに住む人々が、「自分たちの地域社会を作っていく」という気持ちが大切です。


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