輝け あいちっ子 
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(4)中学生
 この時期は、第2反抗期にあたり、親の生活態度に対する批判をしたり、大人の感覚で物事を判断するようになってきます。
 家庭の中で、親が10代前半の子どもに何を教えたらよいかは非常にむずかしい問題です。「他人の迷惑になることをしない、将来の方針を決める、働くことの意味を考えさせる」などを、それぞれの子どもの性格や能力、様子を見て親が教え、子どもが自主的に進路を選択し、自分の生き方を考えていくようにさせたいものです。
ア 自分らしさづくりへの支援
(ア)親子のコミュニケーション
親は自分のことをわかってくれている  この時期は、親に何も話さなくなる傾向が見られます。親子の対話を豊かにするためには、手伝いなど家族の一員としての役割を持たせ、親子がかかわる場をたくさん作ることです。その際、交わされる短い会話の様々が、お互いの心を通わせることにつながるものです。
(イ)よさを認めること
 「らしさ」や「個性」は自覚しにくいものです。子どもは自分らしさを周囲から認められることで、改めて自覚していきます。そして、その認められたことをバネにして、自分のよさを伸ばしていくと考えられます。子どもの成長に応じてそれぞれの場面を理解し、温かく見守って、言うべきことと言うべきでないことの言葉がけを工夫したいものです。
イ 大切に教えたい性の問題
 (ア)命の尊厳や愛情を基盤に
 「ぼくどこから生まれたの」といった幼児期における素朴な疑問から、子どもの発達段階に応じて、初潮、精通現象を迎えての不安、男女交際での悩みなどを持つようになります。子どもの性に対する不安や悩みの身近な相談相手として、男の子には父親、女の子には母親が適任であると言えます。母親の中には、男の子の性について理解が不十分で、子どもの自慰行為やヌード写真を眺めていることを知った時、叱ったり、不潔視したりすることがあります。これは男の子にとっては必ずしも異常なことではないので、厳しくとがめるよりは、成長の過程でだれでもが関心を持つことを認めて、子どもの自尊心を傷つけないように見守ることが必要です。
 その場合、女性に対するいたわりや尊重の気持ちの大切さを冷静に話してやることが必要です。性の問題には、命の尊厳や愛情が基盤にあることを常に意識させたいものです。
 (イ)男女交際
 男子と女子には、性差があることを知らせるとともに、男女交際のマナーやエチケットが自然に話し合えるようにしたいものです。さらに、エイズなどの今日的な問題についても原因と予防などについて正しい知識と健康的な生活習慣の大切さを伝え、必要以上に恐れたり、誘いに負けたりすることなく適切な判断で行動できるようにさせたいものです。


ウ 不登校、いじめへの対応
(ア)不登校
不登校児童生徒数の推移  登校しない児童生徒は、様々な対策により、近年、わずかに減少がみられるものの依然として数多くいます。原因は、多様で複雑に絡み合っていることが多く、解決は容易ではありません。「不登校はどの子にも起こりうる」という視点でとらえて援助していくことが必要です。
 家庭では、子どもの姿から状況を把握するとともに、学校や専門機関と連携を図りながら、子どもの気持ちを理解するように努めなければなりません。特に、一方の親だけに対応を任せてしまうことは解決を長引かせることになります。あせらず気持ちをしっかり持って、根気強く少しずつ階段を登るような気持ちが大切です。

 

 


(イ)いじめ
いじめられた時の児童生徒の対応  いじめは、日常生活の延長上に起こる問題です。例えば、からかい、冗談、冷やかしなどから無視や仲間はずし、ひいては脅かし、恐喝等犯罪行為に近いようなものにまで、発展することがあります。
 いじめは、早期発見が大切です。「何かふだんと違う、様子がおかしいな」と感じるぐらいの、かすかなサインを見逃さないことが大切です。中学生くらいになると「言ってもどうしようもない」「かえってこじらすだけ」と思っている子どもがいます。じっくり子どもと話し合い、一緒に考えることが大切です。傷ついている子は本当につらいのです。家庭の中で、大きく包み込んであげてほしいものです。
 また、学校ともよく連絡を取り合い、学校での実態を大人が早くとらえるようにしたいものです。


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