子どもの笑顔を守るために今 
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コミュニケーションの大切さ

 

【 日本のコミュニケーション方法 】
 団塊の世代の私たちが、子どもたちが成長する過程で教えてきたことは何なのでしょう。
 日本の文化は非常にいじめが起こりやすいのかなと思います。アメリカのいじめは日本のいじめと違い、面と向かって殴ってきたり、鉄砲を向けてきたりします。知らない所でされるような陰湿ないじめはあまりないので、自分を守りやすいのです。言葉としてコミュニケーションがあるので、周りに助けを求めたり先生に言ったりすることができます。日本はまったく逆で、いじめられると、人に言えずにどんどん引いてしまい、自分の中に閉じこもったり、見て見ぬふりをしたりします。外国では見て見ぬふりをしてはいけません。見たときには通報する義務があるのです。
 
【 欧米のコミュニケーション方法 】
 欧米の方の家に行く時、子どもたちが2人で遊びに行った時は、どんなに小さくても、男女が一つの部屋に入ったときには、扉を開けておかなくてはなりません。お母さんが扉の前を通り過ぎながらのぞいていくのです。「兄弟が邪魔しに来るから、扉を閉めていいか」と聞くと、「そのかわりカギは閉めてはいけない」と言います。何故ならこの屋根の下では、家を作ったお母さんお父さんのルールに従って生活しなければならないからです。
 アメリカは責任の文化で、もしもの時には、そこの主が全責任をもたなければなりません。途中でお母さんがトントンとノックをして1つのプライバシーを尊重し、ミルクとかクッキーがあるから食べに出て来なさいといわれて、お母さんにいろいろと質問されるわけです。そこで大人との会話の練習が出来るわけです。そういうことをやっているうちに、人の家に遊びに行く時のルールを学ぶのです。ルールがあり、そこにコミュニケーションが出来てくるのです。 

【 生活様式の変化から起こる問題点 】
 昔から海外で日本の文化を勉強する時、日本人は木と紙の文化で生活していると教えられてきました。隣の人と木や紙で隔てることで、音や気配で人の気持ちを察することが出来るわけです。そうすると、人の後ろ姿で苦労しているなあとか、悩んでいるなあとか人の気持ちを察することが出来るのです。日本人の素晴らしさは、そこにあると思うのです。そういうコミュニケーション方法は昔の日本の生活では良いのですが、厚い壁で仕切られた家に住むようになって、欧米のように子どもたちに各部屋を与え、個人を尊重して育てることにより、音と気配で相手とのコミュニケーションが取れなくなったのです。欧米と同じようなコミュニケーション方法を輸入していれば、おそらく今の問題はないのではないかと思います。
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