子どもの笑顔を守るために今 
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タイでのボランティア実践活動

 

【 活動のきっかけ 】
 1996年以降、私は「アジアと子どもたちのネットワーク」という会を立ち上げて、タイの山岳民族の子どもの教育支援をしてきました。今までに9校の学校が建ち、3500人の子どもたちがそこで学んでいます。
 なぜそれを始めたかと言うと、「子どもたちに勉強させたい」と山奥から降りてきた親御さんたちの話を聞いたことがきっかけです。場所がないと断られても、子どもたちは毎年来て、「家の生活ができなくなるから何とかして入れて下さい」と頼むのです。「学校を建ててくれたらタイ政府は先生方を送り込まなければならないから、この子たちも学校に入れるようになる」と聞きました。田舎の山奥にいる先生方は心優しくて子どもたちのことを本当に思っている方がたくさんいます。自分のお金を出して子どもに奨学金を与え、なんとか中学、高校に行けるようにしている校長先生までいるのです。たまたま私たちが行ったときはそういう状況で、「それでは学校を建てるのにいくらかかかるのですか」と聞くと、1995年では「300万円で建てられます」と言われたのです。100円で計算すると3万ドルで建てられるということは、日本でバザー活動すればなんとかなると思い、チェンマイのナイトバザーで沢山のタイの物を買い込み、国際交流フェスティバルなどで売りました。その後企業などからも寄附を頂き、それがきっかけで多くの子どもたちが勉強できるようになったのです。

【 ボランティア活動する上で大切な事 】
 よく「ボランティアって何ですか」と聞かれます。一番簡単に説明できる言葉に、「私に一匹魚を下さい、そしたら私は一日魚を食べられます。私に魚の取り方を教えてください、そしたら私は一生魚を食べられます。」というのがあります。ボランティア活動をするという事はかわいそうな人を助けているのではなく、たまたま自分が持っている能力や技術や知識など、自分に出来ることを何か相手にも出来るようにする事によって、対等な人間として付き合うことなのです。また、達成感を感じて自分にも戻ってくる事が多いです。タイに行って子どもたちと接すると、何か自分が役に立てたのだなと、お手伝いさせてもらってありがたいなと思うのです。
 私たちは年に2,3回程学校へ行きますが、いつでも子どもたちは心の底からの笑顔を見せてくれます。学校の建設から始まって、最後には街づくりまでしていることに気がつきましたが、私たちにしてみれば、ここはある意味では心の洗濯場所であり、私たちがたくさんのものを得て帰れるのです。笑顔を見ているだけで本当に嬉しくなるのです。 

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