「語り」のかたち−自発的な談話における話し言葉のすがた− 
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まとめ


 このように、1つのかたちに着目して、複数の人がそれぞれ同じ出来事について語った時にどういう方向性があるのかを考えていきました。これは、他の人もいろいろな言語で研究をしていますが、新情報は1つの文の中にせいぜい1つしか現れないし、そのような情報が文の主語位置には現れないということは、調べた限りではまず例外がありません。要するに、人間としてみんな同じことをしているということです。表面的な言語は大きく違いますが、同じ経験を元にしてそれを人に伝えるという行為を情報の流れに着目して分析すると、非常に類似性が高いということが分かったのです。

 *この講義内容は、平成14年度愛知県立大学学長特別研究経費(課題名:英語における能格性研究と談話分析基礎理論の構築)による研究成果の一部です。
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