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愛知県立大学公開講座
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最後に、子どもたちのことについて少し触れたいと思います。2歳をすぎて、4・5歳から10歳くらいの間に急に太りだした子どもが、大人と同じような病気にかかりやすいということが報告されています。中日新聞のサンデー版に載っている「学童・生徒の肥満者割合の推移」というグラフを見ると、全国平均はかなり高く、1974年に6%ちょっとだったのが、現在は11%あたりとなっています。今は大人だけではなく、子どもも日常生活の中で運動することが非常に少なくなった時代です。
まとめとして、かつては「心身の状態に
気付く」、つまり病気に気付いて直すことが健康の近道だったのですが、今は「心身の快適状態を
築く」ことが健康の近道なのです。“気付く”と“築く”、言葉は同じですが、今の時代は心身の快適状態を作り上げるという意味の“築く”時代になったと言われています。ウォーキングで自分の身体の状態に気付き、健康な身体を築きましょう。
(参考資料)
・中日サンデー版:忍び寄る肥満の恐怖:中日新聞社
・宮下充正:あるく−ウォーキングのすすめ−:暮らしの手帖社1996
・暮らしの手帖編集:健康をつくる:暮らしの手帖社1996
・蒲原聖可:ダイエットを医学する:中公新書2001
・吉田俊秀:肥満に弱い日本人:日経サイエンス2002
・石川勝憲:脂肪組織とそのはたらき:からだの科学1999
・中村治雄:肥満とレプチン:からだの科学1999
・米村 篤:β3アドレナリン受容体変異と肥満:からだの科学1999
・橋本公雄:運動と快感:体育の科学2000
・宮下充正:トレーニングの科学:講談社
・佐藤祐造:糖尿病運動療法の正しい知識:南江社