第4段階の神と殷の人達との関係は図5のようになります。
(帝、自然神、殷王朝の人々との間の祭祀・作用の矢印は省略) |
もちろん最高神の帝はいますが、祖先神が第3段階と同じように高い位置にあって、重要でもあります。それ以外に殷王の立場が変わってきます。おそらく重要になってきたと考えられます。どのように重要になってきたか、甲骨文をみてみます。
癸巳の日に王が卜し、貞(と)う、旬に禍いなきか。王が判じて曰く、吉なり (合3934)
武丁の時代には王様が判じて凶だというのは頻繁にあったのですが、この時代になると、王様が判じたらすべて一つも例外なく吉になっています。吉になることを予定されているというか、王様が判じるのだから当然そういうことになるのだと、王の意思がいろいろなものに反映していって王自身が帝のようにすべてを仕切っているというような方向に向かっています。