図1をみてください。殷王朝は早期(二里頭期)、中期(二里岡期)、晩期(小屯期)に分けられます。小屯というのは現在の河南省安陽市にある村の名前で、そこから最初に甲骨文が出土したので小屯期という名前がつき、第一期から第五期までに分けられています。甲骨文が出てくるのは第一期の第22代・武丁という王様の時代以降になります。これを神と殷の人達との関係で分けてみますと、殷文化初期のある段階が第1段階、武丁の時代が第2段階、康丁・武乙・文丁の時代が第3段階、帝乙・帝辛の時代が第4段階ということになります。神というのは、最高神の“帝”、山の神や川の神などのいろいろな“自然神”、それともうひとつは神を付けていいのかわかりませんが“祖先神”のことです。その三種の神と殷の人達との関係がどのようになっているのかを甲骨文に書かれている内容を使って第1段階から第4段階までみていこうと思います。