天文学への誘い、大宇宙の誕生 
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核融合反応

 次に核融合反応について説明したいと思います。核融合という言葉は、どうも放射能とか色々危険ではないかと嫌われています。ただこの核融合反応が無かったら、実は私たち生命は存在しません。何故かというと、宇宙には最初、水素とヘリウムしか無かったのです。ところが私たちの体の中には、例えば硫黄があり、リンがあります。リンが無ければ、たんぱく質は作れません。それから窒素も酸素も必要です。そういういろんな元素が一体どこでできたかというと、実はみんな星が作っているのです。その出発点が水素をヘリウムに変えるという核融合反応です。水素というのは大変軽い簡単な原子核であり、1個の陽子という粒があります。この陽子が3つくっついたもの同士を2つくっつけると、ヘリウムが1個できて、陽子が2個外に出て行くという反応が核融合反応の1つです。こんな反応が我が太陽の中でも延々と40数億年続いています。実は水素4個よりもヘリウムは少し軽いのです。その差はどこに行ったかというと、これがアインシュタインの大法則で、少しだけ質量を使って、それをエネルギーに変えているというわけです。そのエネルギーで太陽は輝いています。

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