天文学への誘い、大宇宙の誕生 
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重力という力

 なぜ太陽から出たガスが雲になるかというと、宇宙の中ではどこでも引力が働いているからです。例えば人間が2人いたら、必ず重力が働いています。この重力というのは意外と小さな弱い力なので、人間同士が重力でくっついたりはしません。ただよく考えてみると、地球と私たちはくっついています。地球と私たちは引き寄せ合っているからです。しかし、天体の大きさが100,200キロメートルという桁になってくると、重力がかなり効いてきます。それぐらいの大きさまで物質を集めないと、重力が目に見える影響を及ぼさないのです。
 話を元に戻すと、太陽が膨張して飛び散ったガスを重力が集めてくれるため、雲になっていきます。更に重力が働き続けると、最初は薄くてダラダラとした雲だったのが、雲の中で濃い薄いがはっきりしてきます。これは重力の影響です。重力というのは、物が集まると集まったが故に、さらに周りからもっと強く物を集めるという性質があるのです。そういうことも17世紀にニュートンが見つけました。その重力のおかげで塊ができ、その塊がさらに濃くなって星の卵を作っていくのです。しかし、星の卵だけではきちんとした星ではなく、中心の部分がさらにどんどん濃くなって、やがて円盤にジェットが2つ飛び出たような格好をした天体に化けてきます。これが星の赤ちゃんと我々が名前を付けた天体です。本当の星の赤ちゃんそのものは、円盤の中心の辺りにいます。

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