脳は若返る 
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脳の老化


 アルツハイマー病という脳の病気があります。脳の中には老人斑という脳細胞の死骸があり、アルツハイマー博士が100年前にアルツハイマー病を発見したときに、正常な人が老化しているときには老人斑はないがアルツハイマー病の人には老人斑がある、と言ったのです。ところが、実は私たちは誰でも老人斑を持っているのです。それはちょうど顔のしみのように年を取ればだんだん増えてくるのです。多分私はアルツハイマー病ではないと思いますが、アルツハイマー病の人と比べると、私にも3分の1ぐらいは老人斑があるのです。それは年齢と共に増えていきます。しかし、アルツハイマー病の人は急速にこれが増えていくのです。急速に増えるともう今の医学では治せないのです。急速に増える原因としては、第一は頭を打撲する、第二は脳を刺激しない、勉強しない。他に、強度のストレス、長いうつ状態、ホルモンの異常、脳の栄養不足などがあります。それから脳梗塞です。脳の血管に血栓ができるとそこから悪い刺激を受け老人斑が増える、老人斑が増えるとそこから活性酸素がでてきて血栓が増えるという悪循環なのです。ですから我々はなるべく脳梗塞にならないようにすることが大事なのです。脳梗塞に一番関係するのは高血圧なので、歩いたりすると血圧は下がりますから、運動したり、楽しいことをすることによって、自分でコントロールすることができます。
 痴呆の無い人でも老人斑はあります。これは、あってもいいのです。残っている細胞がしっかりしていればいいのです。年を取ると老人斑は顔のしわと同じように増えてきます。これは仕方がないのです。我々にできることは、なるべく自分にできることで老人斑が急速に増えるのを防止することと同時に、残っている細胞をなるべく活動させて、細胞を増やし突起を伸ばし、枝分かれを多くすることです。問題は、老人斑があるかないかではなくて脳が働いているかどうかです。我々は85歳ぐらいまでは生きられるのです。そのときにいかに生き生き生きるかということが大事なわけです。それには我々の残っている脳細胞をできるだけ活性化させ細胞を増やすことが大事です。
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