シニア世代を第一ターゲットに

シニア世代の生き方模式図

　「ひと循環型社会支援機構」のプロジェクトで、まず第一に注目したのは、シニア世代の人々の生活です。シニアの方々は、自分の日常生活、仕事、趣味の集まりなどいろいろなステージをもっています。1人が一つのネットワークではなくて、重層的なネットワークをもっていることが調査の中でわかってきました。それを上手くつなげていきながら、その方々を社会に引き出して、もっている力を発揮してもらうために、社会に押し出していく仕組みができないかというのが、このプロジェクトの一つの目的です｡セミナーが入り口ですが、人々を社会へ引き出すための手段としてであり、セミナーを開くことが目的ではないと位置付けています｡
　セミナーは無料で、趣味や健康、介護関係、パソコン等のものを中心に開講しています｡これは、連携のパートナーである銀行がもっている資源を使いながら、場所の提供をして頂いています｡
　そのセミナーに、シニアの方々が参加して、楽しんでいます。そこには、ディレクターという方々を配置しています｡この方々は、私のゼミの社会人学生で、卒業し、特にこのような活動に理解のある方々や、すでに地域社会でいろいろな活動、コミュニティ活動をされて、慣れている方々です。今のところ女性パワーばかりです。ディレクターとして、各セミナーに最低１名、多くて２名が、受講生のお世話をします｡基本的には、セミナーは１回２時間ぐらいですが、先生の講義、実演、実習は、１時間３０分ぐらいで、後３０分はワークショップを中心に、ディレクターの方々が、受講生を組織していきます。そこでグループ形成がされて、「こんなことをやりたい、あんなことをやりたい」というものが出てきます。それをひき出して、受講生の要求へと形成し、さらに社会的実践や自主グループ活動へと練りあげていく作業がディレクターの役目です｡