大学をまちづくりの中心に ―リカレント教育がつくりだす人の循環― 
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新しい時代とシニア


 そこで私たちが着目をしたのがシニア世代です。これから日本の一大勢力になっていく方々の生活をどうするのか。介護保険や介護の大変さから要介護のシニアは社会的な関心の対象となっていますが、今、最も重視のが元気シニアです。しかも、女性は元気であるが、男性はしょんぼりしている。男性シニアをターゲットに、もう一度、一花咲かせて、社会に対して一肌脱いでもらえるような仕組みが作れないだろうかと言うことで始まったのが、私たちの産学共同プロジェクト・シニアプロジェクトです。
 この過程で多くの方々にインタビュー、アンケート調査をしました。その結果、次のようなことがわかりました。
 ♣ 「還俗」・・・会社という特殊な離れたところから、この俗の世界に帰ってきた、つまり日常生活に帰ってきたということです。
 その中で自分が今まで生きてきたことをベースにして生きていきたい。そして人の役に立ちたい!
 この時に感じたことは、「つながっていたい」と思う気持ちです。それを私たちの言葉では、自分の生命の永遠化といいます。
 ♣ 社会的関係の中でつながっていたい!
 自分が社会の中に生きていることで社会的関係の中でつながっていたいという強い希望をもっている。だからいろいろな仕事ができるし、趣味や講座を通していろいろな人と交流をして、つながって生きたい、そしてお互い認められたい気持ちを持っています。
 ♣ 時間的な世代のつながりの中で自分を伝えていきたい!
 自分の子ども、孫の世代に自分の生きてきたことを伝えていきたい。また孫と一緒に生活をすることによって、孫に何か引き継いでもらいたいと思う気持ちを強く持っている。
 その意味では、横の広がりと縦のつながりを非常に強く意識し、その中で自分が生きていくことを実感していきたいと思っています。
 ♣ 恩返しをしたい!
 今まで自分が健康に生きてこられた。または家族に迷惑をかけながら会社のなかで、それなりの地位を確保できてきた。それに対してこれからは、恩返しをしたい。

 こうしたシニアの方々の気持ちをどこかで社会とつなげておく必要があるのではないかと強く感じました。

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