2 ビーチクリーニング(豊橋東高校創立100周年記念事業)

 現在、海岸を取り巻く環境は悪化し、アカウミガメの上陸数や産卵数は年々減少しているといわれている。その主な理由として、アカウミガメが産卵時に嫌う街灯や自動車などの光や騒音の増加、砂浜にゴミを中心とした海岸漂着物が多数あり、産卵環境の悪化したことなどが挙げられている。
 そこで豊橋東高校は、アカウミガメを取り巻く自然環境の状況を研究者や関係者から直接お話を伺ったり、ビーチクリーニング、産卵の観察、小ガメの放流などの活動を通して、豊橋市の表浜海岸がアカウミガメの貴重な産卵場所であることを校内外に広くアピールするため、創立100周年記念事業の1つとして「アカウミガメ保護啓発活動」を平成13年春より開始した。


ビーチクリーニング(2002.5.11)

東細谷海岸

収集された海岸漂着物とゴミ
ビーチクリーニングの結果
漂着物 合計
■プラスチック類 12473 69.4
破片 4516 26.0
たばこのフィルター 1305 7.6
葉巻の吸い口 187 1.1
使い捨てライター 169 1.0
シート(1m以上) 36 0.2
シートや袋の破片 525 2.9
○スーパー袋パッケージ類
スーパー、コンビニの袋 873 4.9
お菓子のパッケージ 814 4.5
その他の袋 698 3.9
フタ・キャップ 734 4.1
レジンペレット 52 0.3
荷作り用ストラップバンド 48 0.3
○ボトル類
飲料用プラボトル 371 2.2
漂白剤、潜在類のボトル 32 0.2
潤滑油ボトル 5 0.0
そのほかのプラボトル 177 1.0
ストロー 472 2.6
食器 46 0.3
食品容器 193 1.1
○釣り具・漁具
釣り糸 43 0.3
ルアー 11 0.1
浮き・フロート・ブイ 17 0.1
えさ袋・容器 27 0.2
漁網 69 0.4
わなかご及びその付属品 3 0.0
ひも・ロープ 641 3.8
おもちゃ 99 0.6
生活雑貨 103 0.6
苗木ポット 68 0.4
注射器 2 0.0
紙おむつ 4 0.0
タンポンのアプリケーター 4 0.0
薬きょう 3 0.0
その他 126 0.7
漂着物 合計
■発泡スチロール 1157 6.5
破片(1p以上) 558 3.4
破片(1p以下) 297 1.7
食品トレイ 191 1.1
ファーストフード容器 31 0.2
使い捨て食器 21 0.1
梱包資材 1 0.0
魚箱(トロ箱) 2 0.0
発泡スチロールフロート 51 0.3
その他 5 0.0
■紙 925 5.2
破片 484 2.7
タバコのパッケージ 146 0.9
飲料用紙パック 89 0.5
使い捨て紙容器 31 0.2
新聞・雑誌 79 0.4
その他 96 0.6
■木(自然の物以外) 863 5.8
加工された木片 758 4.2
割り箸 40 0.2
荷作り用木箱 6 0.0
物流用パレット 21 0.1
その他 38 0.2
■複合素材他 846 4.7
花火 652 3.6
薬のパッケージ 20 0.1
注射器以外の医療用ゴミ 9 0.1
釣り具(竿・リール・その他) 9 0.1
靴・サンダル 45 0.3
ボール 11 0.1
自動車・部品
(タイヤ・バッテリー以外)
8 0.0
自動車用バッテリー 3 0.0
家具 4 0.0
家庭用電化製品 4 0.0
1 0.0
建築廃材 22 0.1
その他 58 0.3
漂着物 合計
■金属 816 4.5
破片 48 0.3
○カン
スプレー缶等 44 0.3
飲料用缶 401 2.2
その他の缶 14 0.1
ふた・キャップ 90 0.5
釘・鉄板・鉄筋・針金等 94 0.5
電池(自動車用以外) 5 0.0
アルミホイル 74 0.4
プルタブ 18 0.1
食器 3 0.0
その他 25 0.2
■ガラス・陶器・土石類 462 2.6
ガラス破片 183 1.0
陶器(土石)の破片 28 0.2
○ビン
飲料用ビン 160 0.9
その他のビン 13 0.1
タイル・瓦・ブロック等 53 0.3
食器 5 0.0
電球・蛍光灯 14 0.1
その他 6 0.0
■ゴム 291 1.6
破片 188 1.1
風船 29 0.2
タイヤ 18 0.1
コンドーム 13 0.1
その他 43 0.3
■布 133 0.7
布片 73 0.4
衣服類 27 0.2
その他 33 0.2
総計 17996 100.0
 分類は米国オーシャン・コンサーバンシーの主催する国際海岸クリーンアップのリストに準拠。
  • 回収された海岸漂着物とゴミの総数は約18,000におよび、分類不能なものを含めるとその種類は100を超えた。
  • プラスチック類が全体の約7割を占め予想以上に多く、発砲スチロール、紙、木、複合素材、金属が続いた。
  • ゴミの中には外国製の物も確認された。
豊橋東高校創立100周年記念事業、アカウミガメ保護啓発活動

(1)ウミガメ研修会(平成14年3月15日)
 カレッタ委員(アカウミガメ保護啓発活動を推進するクラス委員)、生徒会役員、GLOBEが中心となってアカウミガメについての研修会を行った。講師には豊橋市アカウミガメ保護対策協議会会長の大須賀哲夫氏を招き、豊橋の表浜海岸約13qがアカウミガメの貴重な産卵地であり、その環境が悪化していることを認識した。

(2)名古屋港水族館見学(平成14年3月17日)
 アカウミガメの生態を観察するために希望者28名は名古屋港水族館に行った。そこで飼育担当の職員より水族館におけるアカウミガメの飼育方法、産卵状況等についてお話を伺った。

(3)豊橋市表浜海岸ビーチクリーニング(平成14年5月11日)
 名古屋港水族館館長、内田至氏よりアカウミガメの生態に関する講演を体育館で聞いた後、1,2年生約750名はバスで海岸に移動し、地域の人々の協力を得てアカウミガメの産卵の障害となると思われる海岸漂着物とゴミを回集し、分類、集計した。

(4)産卵観察会(平成14年8月6日)
 静岡県の中田島砂丘を拠点としている自然保護団体サンクチュアリN.P.O.の協力で、中田島砂丘において参加者28名はアカウミガメの産卵観察会に参加した。そこでサンクチュアリN.P.O.理事長、馬塚丈司氏よりアカウミガメの生態や保護活動の方法などについて学んだ。海岸では、当日産卵された卵と、上陸した際に見られる足跡を確認した。

(5)子ガメ放流会(平成14年8月27日)
 中田島砂丘において参加者27名はサンクチュアリN.P.O.が遠州灘の海岸約115qより回収し、人工ふ化場でふ化させた子ガメを放流した。
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