
まず、食事回数を聞きました。そうすると1日に1回未満と答えた方が約7%でした。1日に1回の方が16.5%、1日に2回の方が30.7%でした。つまり半数以上の人は食事を1日3回取れていないのです。
食事の入手経路についても調べました。自炊、弁当購入、廃棄食品と様々ですが、支援団体の炊き出しに対する依存度が大変高い結果になりました。また食事を他に依存するということは、それだけ食事確保の不安定さにつながります。
実は彼らは働いているのです。彼らは大変野宿期間が長くなっています。野宿期間が長いということは何を意味するのか。社会に戻るという、野宿生活から脱出をするということにほぼ諦めの状態なのです。諦めるというのは、もう戻りたくないということではなくて、戻ろうと思ってももう戻る余裕がないということです。そのことに努力するよりも、今日一日の生活をどうするかということの積み重ねが、期間の長さと関係してくるわけです。よく自転車に空き缶を山のように積んで、空き缶を拾い集めている方を見かけることがあるかと思います。彼らが唯一生計費としているのがあの空き缶なのです。現在あの空き缶は1s80円前後で取り引きされているのですが、これを10s集めるということは足を棒にしなければなりません。ホームレスの数が増えているために、空き缶の奪い合いになってしまうのです。しかし10s集めても800円、15sでも1,000円ちょっとなのです。そこから食事をし、いろいろなものを買わなくてはいけない。調査をしていて何が一番困るか聞いたところ、「パンク」という答えが返ってきました。自転車がパンクしてしまったら空き缶を拾い集められないのです。しかもパンクの修理代が1,500円かかるというのです。2・3日分の働きでパンクを直さなければならないので、パンクが一番恐いそうです。彼らの収入の平均は2ヶ月間で7万6千円です。これは収入のあった方だけの平均です。ですから収入のなかった方を平均に入れますと、5万2千円ほどになります。
つらいことなどを聞いてみますと、「仕事が見つからない」「入浴ができない」「寒い・暑い」「お腹がすいてつらい」という答えが返ってきました。また「野宿生活から抜け出したい」と言っている方が90%を超えているのです。いかに自らの力で脱出することが困難であるかを証明しています。