◆ <はじまり、はじまり> |
 |
昔、昔、どんな重い病気も治してくれるあごなし地蔵というお地蔵さまがたっていた。 |
|
|
村人たちがうわさをしていました・・・
「ホンニホンニ、ありがたいお地蔵さまだ。ゴンベイの腹痛も治ったそうな。」
「そうだ、そうだ、そういえば隣のばあさまの歯痛も吹っ飛んじまった。」
|
 |
|
|
 |
その話を通りかかったおじいさんとおばあさんが聞いていました。
おじいさんとおばあさんはその話を聞き、家へ飛んで帰って行きました。
|
|
|
◆ <そのころ家では・・・> |
おじいさんとおばあさんの娘「しの」は重い病にかかり、長いこと苦しんでいました。
どんなに看病してもいっこうに良くなりませんでした。
もう、お医者さまにもさじを投げられ、どうする事もできませんでした。
|
 |
|
|
 |
それでも、しのの夫「たすけ」は毎日、毎日、一生懸命看病しました。
しかし、たすけがどんなに看病しても益々悪くなるばかりでした。
|
|
|
おじいさんとおばあさんは、慌てて家に戻り、せきを切ったように話はじめました。
「山中の井戸洞にたっておるお地蔵さまがえらくご利益があって、重い病も治してくれる
んだと。」
「しのもひょっとしたら治るかもしれんに。」
|  |
|
|