心理学からみた教育の隠れた次元 
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はじめに


 この公開講座は3回目になりますが、前の2回では教育の問題を比較的真正面から扱って、先生方がお話になったのではないかと思います。真正面からというのは、今だれもが話題にする教育の問題で、その解決が*勝義*の課題であるような問題をどう考えたらいいのか、どういう角度で見ていったらいいのかという意味で、そのようなことが話されたのではないかと思うのです。今回は、これとは少し違う角度で教育の問題を考えてみようということです。違う角度とは、教育においてあまり話題にならない問題といったらおかしいですが、当たり前すぎて考えてもみなかったような問題や、だれもが知っていることだが、考えるに値することとしてはあえて意識してこなかったような問題などに光をあてることで、教育を別の角度から考えてみようというのが第3回目の趣旨であろうと、私は解釈しています。
 こういったことを考えるにあたって、教育な専門家であるお二人の先生は、今述べたような観点からもう少し具体的な教育の現実に沿ってお話をされると思うのですが、私は心理学的な観点からお話ししたいと思います。日常生活の隠れた次元を問題にするとはどういうことなのか。日常生活においても、子どもの場合には学校という現実はとても大きなウエートを占める営みなので、子どもにとって学校という場がどういう場であり、そこには子ども自身も子どもにかかわる大人もあまり意識しないような、どんな隠れた次元があるのか、隠れた問題があるのか。十分なお話はできませんが、そういった角度で教育の問題を考えることも可能だということを、皆様にわかっていただきたいと思います。

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