愛知県伝統文化活動緊急支援事業「伎芸精髄(ぎげいせいずい) あいちのエスプリ」

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 愛知県では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、公演中止など活動の機会が減少している地域の伝統文化団体の活動を支援するため、愛知県内全ケーブルテレビ(14局)と特設Webサイトにおいて、「能」、「狂言」、「箏(こと)」、「舞踊」、「華道」の無観客公演の模様を放映する事業を実施しました。

 古典的な演目に加え、新たなアレンジや工夫を凝らした演目を、その制作過程を含めて映像作品化した番組「伎芸精髄(ぎげいせいずい) あいちのエスプリ」をYoutubeで公開しています。

【監修者】
 安田文吉氏(東海学園大学客員教授、南山大学名誉教授)

【出演団体(演目)】
 ○能・・・能楽観世流(能楽「羽衣(はごろも)」、新作能「鱒(ます)」)
 ○狂言・・・能楽師狂言方和泉流野村派(古典狂言「附子(ぶす)」、チャレンジ狂言「Booby(ブービー)」)
 ○箏・・・箏曲千景の会(「六段の調べ」・「日本の心音(こころね)」、日本伝統メディアアート「千本桜(せんぼんざくら)」(Vtuber「キミノミヤ」と協演))
 ○舞踊・・・西川流(「連獅子」、「日本舞踊と三味線・和太鼓のセッション」)
 ○華道・・・石田流華道会(「花手前(古典花(こてんか))」、「花のパフォーマンス~美の音色と共に」)

       のうがくかんぜりゅう
<能> 能楽観世流

【団体紹介】
 観世流は、南北朝時代に大和(奈良県)で活動していた猿楽(さるがく)芸能のひとつ、結崎座(ゆうざきざ)に所属し、大夫(たゆう)(座を代表する役者)を勤めていた観阿弥が初代。観阿弥、世阿弥父子によって芸能として洗練され深みを増す。優美で繊細な表現が特徴。


【演目紹介】
演目①:能楽「羽衣(はごろも)」
  日本各地に伝わり、人々に親しまれてきた「羽衣伝説」をもととした、能楽本来の伝統的な魅力があふれる演目「羽衣」を上演します。


演目②:新作能「鱒(ます)」
  渓流の釣り人と鱒が登場する、久田勘鷗(ひさだかんおう)氏の新作能「鱒」。シューベルト作曲「鱒」の弦楽五重奏の演奏と声楽家の歌唱に合わせ、鱒の動きも取り入れた能舞を披露します。


         のうがくしきょうげんかたいずみりゅうのむらは
<狂言> 能楽師狂言方和泉流野村派

【団体紹介】
 和泉流三派(山脇・野村・三宅)の一つ。江戸時代を通じて尾張徳川藩・肥後細川藩のお抱え狂言役者として各所で舞台を勤める。明治維新以降震災や戦災を含めた混乱を超え、狂言界で唯一断絶・中絶なく十三世・野村又三郎信廣へと継承され、戦後は縁のある名古屋に本拠を移し、現在は十四世・野村又三郎信行を中心とする一門で、公演及び幅広い世代への普及活動や指導をしている。


【演目紹介】
演目①:古典狂言「附子(ぶす)」
  主人から附子という毒が入った桶に近付くなと言いつけられた二人の家来のユーモラスな物語。名古屋の長母寺(ちょうぼじ)で編纂された沙石集(しゃせきしゅう)に取材した、狂言の中で最も代表的な作品を若手二名が上演します。


演目②:チャレンジ狂言「Booby(ブービー)」
  古典狂言「附子」の舞台をそのまま現在に置き換え、野村又三郎氏が新たに書き下ろした現代版を、古典版の若手二人の父親に世代を変え、本邦初公開で披露します。


              そうきょくちかげのかい
<箏(こと)> 箏曲千景の会

【団体紹介】
 昭和35(1960)年に箏曲千景の会を設立以来、箏曲の普及と向上をめざして研鑽を重ね、古典を基本とした創作活動は幅広い年代層から親しまれている。また日本の伝統音楽を現代的な感性でアレンジし、海外公演などの積極的な演奏活動が高い評価を得ている。1993年度愛知県芸術文化選奨文化賞(団体)受賞。


【演目紹介】
演目①:「六段の調べ」、「日本の心音(こころね)」
  日本の美しい心を「音」に託して伝えたい。浅井大美子氏の箏の演奏に、尺八、ヴァイオリン、ハープを加え、名曲「六段の調べ」と「日本の心音」(唱歌メドレー)を披露します。


演目②:日本伝統メディアアート「千本桜(せんぼんざくら)」(Vtuber「キミノミヤ」と協演)
  日本伝統メディアアート「千本桜」では、浅井りえ氏の箏に、笛・太鼓を加えた邦楽のコラボレーションと、あいち観光バーチャルサポーターの「キミノミヤ」が協演します。


         にしかわりゅう
<舞踊> 西川流

【団体紹介】
 天保12(1841)年、初世西川鯉三郎が江戸から名古屋へ移住し名古屋西川流の初代家元となり、西川流の礎を固める。日本舞踊の五大流派の一つとよばれ日舞界でも初期の頃に誕生した流派。


【演目紹介】
演目①:「連獅子(れんじし)」
  名古屋独自といわれる「石橋(しゃっきょう)」の舞台美術を背景に、西川千雅(にしかわかずまさ)氏らは、コロナ禍と闘う方々へのエールを込めて、試練を乗り越える父子獅子を描く「連獅子」を演じます。


演目②:「日本舞踊と三味線・和太鼓のセッション」
  ダイナミックな三味線と和太鼓の演奏と、西川千雅氏の日本舞踊によるセッション。自由闊達な舞い姿は、コロナ禍で閉ざされた世界からの解放を表現します。


         いしだりゅうかどうかい
<華道> 石田流華道会

【団体紹介】
 大正11(1922)年、名古屋にて創流。花や木の真の美しさを見出し短時間にいけ上げるスピード感、文人花の「詩歌と花」の風雅さ、自由で豊かな表現などを特徴とする。
 現在の石田流会長石田秀翠(いしだしゅうすい)氏は、長年意欲的な創作研究と国内外で生け花の普及教育・作品発表を行い、2005年の愛・地球博、2010年のCOP10開催時には、環境問題をテーマに大作を発表し好評を得た。2013年度愛知県芸術文化選奨文化賞受賞。


【演目紹介】
演目①:愛知県の「かがり弁(べん)ギク」を使用した「花手前(古典花(こてんか))」
  日本一の花の産地である愛知で生まれた、美しい花びらの新種「かがり弁ギク」を使い、石田流の古典花としていけます。


演目②:愛知県の「かがり弁ギク」を使用した「花のパフォーマンス~美の音色と共に」
  映像プロジェクションによる舞台演出と、アコーディオン、ヴァイオリンのライブ演奏のなか、「かがり弁ギク」を使った大型オブジェを創る華道パフォーマンスを行います。


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