平成26年度愛知県民俗芸能大会〜蒲郡市大会〜

 この大会は、国、県及び市町村指定の無形民俗文化財等を順次公開し、その保存・伝承を図るとともに、民俗芸能への理解と認識を深めることを目的とし、昭和48年度から開催され、前回までに62会場で実施し、延べ320団体が出演しました。

<開催日> 平成27年3月1日(日)
<場 所> 蒲郡市民会館大ホール
<主 催> 愛知県教育委員会  蒲郡市  蒲郡市教育委員会

みやうしろすみよしおどり
宮後住吉踊・・・平成12.6.22 市指定無形民俗文化財

 住吉踊は、大阪住吉神社の御田植神事の奉納舞として行われたのがその起源と言われています。同社神宮寺の僧が踊り始め、願人坊主と呼ばれる僧たちが天下泰平、五穀豊穣、人々の繁栄を願って唄をうたい踊りつつ諸国を巡り歩き、広めたとされます。江戸時代の終わりごろには、芝居の物まねやおどけ狂言を交えるようになり、興業としての性格を強めると、各地に招かれ一世を風靡したと言われています。
 明治初期ごろに一宮にも伝わり、現在まで大切に伝承してきました。宮後住吉踊は、興業としての流れをくみ、当時の具体的な姿を知ることができる県内唯一の存在です。宮後地区をあげての継承への熱意ある取組みは、年齢を超えた交流を生み出し、郷土意識の生きた学習となっています。

<出演団体> 宮後住吉踊保存会(一宮市今伊勢町)
<上  演> 今伊勢公民館等(年7回)

のだあまごいかさおどり
野田雨乞笠おどり・・・昭和59.8.7 市指定無形民俗文化財

 毎年8月に野田八幡宮で行われる「雨乞い」を今に伝える行事です。雨乞いの儀式として神前にお神酒とお灯明を供え、二人一組の踊り手が雨乞い唄と采配に合わせて太鼓を打ちながら踊ります。
 唄い手と采配人は10名前後、踊り手は太鼓を中に向かい合い、浴衣に赤いたすき、一文字笠の姿で、両手に桐の木で作った"つつろ"と呼ばれる短いバチを持って踊ります。
 この雨乞笠おどりは、非常に素朴な踊りであり、昔の農民が雨を降らそうとする気持ちを表現しています。歌詞にも昔の人の奥ゆかしさ、素朴な祈りやお礼の心が込められており、その心を伝えるように雨乞笠おどりを演じています。

<出演団体> 野田雨乞笠おどり保存会(刈谷市末広町)
<上  演> 野田八幡宮(6、8月第三日曜日)

みかわまんざい
三河万歳・・・平成7.12.26 国指定無形民俗文化財

 万歳は家々を訪問し、その家の繁栄や家族の健康などを祈る詞を述べる祝福芸です。三河万歳の起源には様々な説がありますが、室町時代には安城に伝わったといわれています。江戸時代には徳川家の庇護を受けて隆盛を誇り、江戸で万歳と言えば三河万歳のことを指すほどでした。
 伝承演目には、太夫と才蔵の2人で演じる「神道三河万歳」、扇を手にした太夫は中央に、鼓を持った才蔵は左右に2〜3人ずつ並び、舞台で演じることを意識して演じられた「三河御殿万歳」、歌舞伎を題材にした滑稽な演技に、鼓と三味線と胡弓の3つの楽器の演奏を加えた「三曲万歳」の三種類があります。いずれもゆっくりとした祝福芸で、万歳の古い形式をよく伝えています。今回はこの中から、「神道三河万歳」と「三河御殿万歳」を演じます。

<出演団体> 安城の三河万歳保存会(安城市榎前町)
<上  演> 不定期(1月安城市内の神社等)

みやまつり・すさのおのまい
三谷祭・素盞嗚の舞・・・昭和44.3.7 市指定無形民俗文化財

 三谷祭は、元禄時代から受け継がれる三谷町の産土神、八劔神社と若宮神社の例祭です。2日間にわたり町内各6区で奉納踊りを行うほか、日曜日には半裸身の氏子たちが、4台の絢爛豪華な山車を曳き町内を練り歩いた後、海に曳き入れる迫力満点の「海中渡御」が行われます。6区のうち上区には、剣の山車による海中渡御のほか、八劔・若宮両神社に御神前で奉納する素盞嗚の舞と子踊りがあります。 素盞嗚の舞は「扇」「剣」「綱」「鈴」の四種で、最後に踊り子の六神が飛ぶさまは見ものです。
 今回は、会場ステージを神社の拝殿前と想定し、宮入の形式と、御神前での奉納の様子を再現します。最後は、祭のフィナーレとなる「引き分け」の様子を下り花という曲で締めくくります。

<出演団体> 上区保存会(蒲郡市三谷町)
<上  演> 八劔神社、若宮神社(10月)

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