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阿部保名 (あべのやすな)という若者は、死別した妻と瓜二つであった「葛の葉」に恋しましたが、妻の妹であったため、結婚の話はうまくいきませんでした。ある日、保名は狐狩りに追われた白狐を助け、負傷してしまいました。葛の葉があらわれ、保名を介抱しましたが、正体は助けられた白狐でした。保名は白狐と6年も阿倍野に隠れ住み、今では5歳の子どもと幸せに暮らしています。
しかし保名を忘れられない本物の葛の葉が、親を捨て阿倍野へ尋ねてきました。それを知った白狐は、もはや人間の姿を借りているわけにはいかないと、眠っている子どもを背負い名残を惜しみつつ「恋しくば尋ね来てみよ和泉なる信田の森のうらみ葛の葉」という和歌を障子に書き、姿を消すというものです。この子どもが後の、安倍清明と言われています。
【出演団体】 名越神楽保存会(新城市) |
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