子どもの笑顔を守るために今 
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文化交流を通して


 去年愛知万博の広報プロデューサーをやらせていただき、120ヶ国の人々と楽しく接することができて、今までの文化体験というのが、なんとなくまとまった感じがしたのです。
 深く文化交流した国々の中で、おもしろかったのはカメルーンでした。カメルーンのフレンドシップ大使は、「文化交流をしてすごく勉強になりました。カメルーンと付き合うときは時計を持たない、約束したら来ないかもしれないと思うと楽になりました」とおっしゃいました。万博に参加したカメルーンの方から「フレンドシップ大使や市長さんを呼んでディナーをやるから来てください」と言われ、「では何月何日に行きます」と言って駅に着いたら誰も迎えに来ていないのです。どうしようと大使館に電話したら、「駅に着かれたのですね」と言われ、迎えに来られたのです。大使館に着いて、「これからお食事ですか」と聞いたら飲み物とせんべいが出て、1時間後に「ディナーです」と呼ばれました。顔を見てから食事を作り始められたのです。時間に対する価値観が国によって違うのですね。
 今回の万博では、すばらしい交流ができて、かつ世界中の方々が愛知県の場所を分かってきたと思うと、ぜひこの関係を続けていきたいと思うのです。自分の知っている人が世界の向こう側にいるとか、自分の思える国があることによって、戦争や不和といったものがなくなる。それを子どもたちが知って育つことがとても大事で、身近な人から「どこの国の人がどうだった」と聞けば、会ったことも体験したこともないけれど親近感がわくのです。ですから、私たちは子どもを守っていかなければいけないし、たくさんの友だちを作らなければならないのです。
 私たちは子どもたちが健全に育っていけるように、自分の子どもでなくても目を光らせてあげなくてはいけないと思います。“みんなの子ども”という気持ちがすごく大事で、そういう目で子どもたちを地域の中で育てることが出来たらすばらしいと思います。
 皆さん自身が、いろいろなことに挑戦したり動いたりして、健全で笑顔いっぱいの子どもたちであふれる地域をつくりましょう。
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