いろいろな人権 『障害者の人権』 
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障害者の人権

(1)障害者とはどんな人たちのこと?

ア 障害者の権利宣言
  1975年(昭和50年)の国連総会で採択された「障害者の権利宣言」では、障害者というのは、「先天的か否かに関らず、身体的又は精神的能力不全のために、通常の個人又は社会的に必要なことを確保することが、自分自身では完全に又は部分的にできない人のこと」を言うと定めています。つまり、身体的諸器官の欠損や能力不全といった障害のために、さまざまな社会生活上の困難や不利益を被る人を指しているのです。

イ 日本では・・・
  日本では、「身体や精神が正常に機能しない人で、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を交付されている人」と、障害のみに視点があてられ、障害による社会生活上の不利益に目が向けられていないという現実があります。
 障害者を「〜ができない人」と規定することは、普通より劣っている・気の毒な人とマイナスイメージでとらえられてしまいます。そして、「普通より劣った不幸な人」として、普通の人(健常者)の仲間から排除され、差別されてしまうのです

ウ 障害がある=不幸ではない
  障害者は、「身体や精神に障害があるため、社会生活上の困難や不利益を被る人」というのを、単に「身体又は精神に障害を持つ人」ととらえる言い方・考え方は、障害者の生活・人格に目を向けない、障害者の人権を無視するものです。
 障害者は、障害のため普通の生活をする上で不自由ではありますが、不幸ではありません。障害者が普通の生活をする上で不自由なものが取り除かれたとき、健常者と同じように社会生活が送れるはずです。しかし、なかなか取り除かれないのが現実です。これは、「人が人として幸せに生きていくための権利」が保障されない「不幸な社会」と言わざるをえません。
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