◆ 少年時代の日々 |
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これは、自然のきびしさと数々の迫害に耐えて生きてきた、一人のアイヌ・川村カネトの物語だ。カネトは、豊橋から天竜峡(現在のJR飯田線)の困難といわれた測量をやりとげた人だった。 | |
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北海道の大きな川沿いに集落を作り生活していたアイヌの人々は、明治政府によってひとつの地域に集められた。 カネトは、こうしたころに生まれ、尋常小学校に入学した。目の大きな、心の優しい男の子。家の手伝いを進んでする、働く事の好きなカネトは、家族たちにも同じアイヌのコタンの人々からも大事にされていた。 しかし、学校へ行くと本州からわたってきた和人(シャモ)たちから 「おい、こいつの顔見ろよ。変な顔してらあ。」 「ほんとだ。おい、何とか言えよ。」と、いじめられた。休み時間にもからかわれた。
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カネトは、鐘が鳴って、授業が始まっても、教室には戻ろうとはしなかった。 むしょうに悲しくなって、ここまで走ってきたのである。
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