こういうネットワークを使っていくと、非常に柔軟な組織体系ができるといわれています。どういうことかというと、ヒエラルキー(従来のピラミッド的な社会)組織が変わりつつあります。
以前にNHKで情報通信ネットワークの中で組織がどう変わるかを特集していました。
その時は軍の話が出てきました。軍は非常にヒエラルキーがはっきりとした組織です。いろいろな階層に分けられていますが、基本的に情報伝達は自分の所属している1つ上と1つ下としかコミュニケーションをとっていません。1つ上から情報をもらい1つ下へ下げる。それの繰り返しで、ピラミッド構造が成り立っています。それは非常に効果的な方法として考えられていたのですが、それをやっていると、最前線にいる人たちがこうしてほしいと思うことが、うまく動かないという事がわかってきました。
そこで今はどうしているかというと、その最前線の人たちに情報を渡すのです。当然ネットワークやコンピュータも、情報関係で武装します。情報関係で武装するとどうなるのか。今では、上の人たちが判断していた事が、最前線の人たちでできるようになるのです。いま敵はどこにいてどういう状態なのか、衛星から見ているような情報でも、最前線の人たちに渡してあげると、すぐ近くで見られるので効果的に攻撃ができます。最前線にいろいろな判断を渡し、組織の柔軟化を計ろうということです。
会社でも顧客からのクレーム情報を集め、社内で共有して、各部署で考えるといった事が進められております。上からだけではなく、ネットワーク、情報通信を使いながら横の連携が非常に多く生まれるようになってきています。ですから、会社内でもプロジェクト的な仕事の仕方がどんどん出てきます。
これは生涯学習とも関係があり、社会全体をネットワークとして使っていきますので、NPOとか地域の住民とかの横のつながりを含めて考えると、もっと柔軟な集まりができます。こういう事が社会的に進められていくのが、情報化の動きの1つだと思います。
ネットワーク上の横のつながり、課題を共有する事を含めた仕組みだけあればいいのかというと、そうではなくて、その1歩2歩を踏み出しながらお互いに横の連携、柔軟な組織化ができるチャンスが必要になります。各市町村、関係機関などで愛知の情報提供、愛知の中の横連携の仕組みの中での柔軟な組織化ということについて、実践を勧められることを期待しております。