脳は若返る 
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はじめに


高田明和氏
高田和明氏
 私たちは、体の健康が大事なことはいうまでもありませんが、脳が働かなくなれば何の意味もありません。例えば、筋骨隆々で心臓もすばらしい、血液はさらさらで動脈硬化がない、でも脳がボケたら全く使い道がないわけです。例えば、ホーキンス博士のように、重病で手足が動かなくてもコンピュータを操作すれば生き生きと生きることができるわけです。もちろん身体の健康も大事ですが、何よりも大事なことは、脳が生き生きしていることだと思っています。ローマのキケロという哲学者は、特に年を取ってから、「心」今でいう脳ですね。心の健康を保つことは人間の義務であると言っています。
 人間は自分がボケても、ボケた人間は何も苦しまないのだからいいじゃないかと思われるかも知れませんが、実は、特別養護老人ホームなどに入居されている方は、しだいに知能が曇っていくと非常に苦しい、自分は何でこんなになってしまったのだろうと悩んでいるそうです。最後に完全にボケてしまえばいいのでしょうが、決してそれは楽しい道ではないと思います。それは、例えばお孫さんが優秀な学校に入学した、息子さんが出世したとなると、すぐに、おじいさん、おばあさんに伝えたいわけですよね。ところが、おじいさん、おばあさんに、あなた誰ですかと言われたら喜びも半減してしまいます。ですから、家族に幸せを与えるためにも、お年寄りはなるべく長い間、脳を生き生きさせておくことが非常に大事だと思っています。

 

 

 

 

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