![]() |
愛知県立大学公開講座 |
最後にもう1つ、なぜ九州に勝てたかということですが、それはコストです。瀬戸の窯業の技術が唐津・有田等を超えているとは思えません。なんとか追いつけるぐらい、ちょっと劣っていたかもしれません。でも、物の値段なのです。つまり、九州から大坂、京都、それから江戸に運ぶのには相当な船賃がかかるわけで、そのコストと尾張から運ぶコストというのは全然違うのです。従って、コストの面でもチャンピオンになる理由があったと考えられます。
愛知県の歴史 (3)近世 近世尾張の産業−瀬戸窯業の展開− |
おわりに
今日の話は中世から近世、そして近代までの瀬戸窯業を概括しました。特に江戸時代の、近世期の瀬戸窯業の在り方を特徴付けるものは何かというところを中心にお話したわけです。瀬戸窯業がこの日本列島で非常に大きな勢力になり、最終的には九州勢を抑えてチャンピオンになりますが、その要因は一体何だったのかということが話の中心です。それはおそらく蔵元制や、磁器の生産を非常に先進的、積極的に取り組んだ者達の姿を総合的に捉えることによって、瀬戸窯業がチャンピオンになった理由が見つかるのではないかと思われます。
愛知県立大学公開講座
最後にもう1つ、なぜ九州に勝てたかということですが、それはコストです。瀬戸の窯業の技術が唐津・有田等を超えているとは思えません。なんとか追いつけるぐらい、ちょっと劣っていたかもしれません。でも、物の値段なのです。つまり、九州から大坂、京都、それから江戸に運ぶのには相当な船賃がかかるわけで、そのコストと尾張から運ぶコストというのは全然違うのです。従って、コストの面でもチャンピオンになる理由があったと考えられます。