V 土壌微生物の活性
1 方法
 実験器具を家庭用漂白剤で簡易滅菌する。そして、寒天水溶液にデンプン、セルロース、タンパク質を入れ、加熱、溶解させ、シャーレに入れる。寒天培地が固まった後、生ゴミ分解菌を寒天培地の上に置く。寒天培地は簡易恒温器と冷蔵庫を利用してそれぞれ10℃、40℃になるように設定する。2日後、各培地の様子を観察し、尿試験紙の反応をみる。
生ゴミ分解菌 尿試験紙 圧力鍋を使用して殺菌 寒天溶液をシャーレに流し込む
2 結果
 デンプンが分解すると糖になり当初みられたヨウ素反応がしだいにみられなくなる。
 また、尿試験紙は糖と反応すると、色が紫色に変化する。        
寒天培地(10℃デンプン) 寒天培地(40℃デンプン)
 タンパク質を含むスキムミルクが分解すると当初みられた白濁が消え、無色透明になる。
 また、スキムミルクに含まれるアルブミンにより黄色に変化した尿試験紙はタンパク質の分解により、尿試験紙本来の緑色に変化する。                                      
寒天培地(10℃スキムミルク) 寒天培地(40℃スキムミルク)
 セルロースが分解すると糖となり、尿試験紙は色が紫色に変化する。
寒天培地(10℃セルロース) 寒天培地(40℃セルロース)
3 考察
 デンプン、タンパク質、セルロースの入った寒天培地は、生ゴミ分解菌の存在下で、それぞれ分解されることが、ヨウ素反応や尿試験紙の色変化などから確認された。これは、生ゴミ分解菌に含まれる土壌微生物が、デンプン、タンパク質、セルロースを分解したためと考えられる。
 また、3種類の培地とも10℃と40℃の培地を比較すると、40℃の培地が、より有機物を分解していることが確認された。これにより、生ゴミ分解菌は温度によって活性が異なると考えられた。
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