国際化と人権 
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はじめに


 今日は、開発途上国の問題と、もっとも世界で進んでいる国、スウェーデンの問題とを取り上げます。私は、アジアとかアフリカの地域開発、地域福祉ということに興味を持って、いろいろ研究しています。また、アフリカのソマリア難民の障害児を支援するNGOを設立し、その代表を務めてきました。一方で、高福祉国家といわれる北欧の施設などを視察したりして、スウェーデンの研究もしています。
 その2つは、福祉という観点からいうと、両極端なのです。そういう両極端のものをなぜ提供するかというと、日本の福祉が遅れているとよく言われたりしますけれども、一方で、絶対的貧困というのがあって、食べることができるかできないかという問題があるのです。そして、食べられないということは、大脳の発達が阻害されます。すると、考えるということができなくなる。それは、議論に入る以前の問題ですよね。ある意味で、議論ができて初めて対等という面があると思うのですけれども、それさえも条件が与えられない。そういう世界の中における、スウェーデンの福祉、あるいは日本の福祉というものをもう一度考えてみたいということなのです。

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