多くの種類がある身体障害、原因がわからないことも多い知的障害 
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これまでやってきた仕事(自己紹介)


 始めまして。吉川と申します。
 早速ですが、今日いらっしゃっている皆さんの中には、今日の話のテーマである「障害」に、実際に携わっている方もいらっしゃると思います。しかし今日は、「障害」について何も知らない方を想定して話させていただきますので、よろしくお願いいたします。今回の公開講座のテーマが、「社会福祉と人権擁護」ということで、私が、身体障害と知的障害の部分を話すということになりました。
 たまたま今日のお昼のニュースを見たら、最初はサッカーの日本対ロシア戦のワールドカップの話でした。おとといの金曜日、知り合いの30歳くらいの電動車いすの男性と話したのですけれども、そのときに彼が今日のロシア戦に行くと言うのです。もちろん彼は名古屋に住んでいて、電動車椅子で横浜まで移動するのです。一人ではなくて、たぶんボランティアの人がついていくのだと思いますが、電動車いすの人も、ワールドカップの試合を見に行くという時代にはなっているのだなあと思いました。
 まず最初に、私の簡単な自己紹介をしたいと思います。私は、もともとは理科系のソフトウェアを専攻していました。たまたま縁があって、同じ大学に聴覚言語障害研究センターという、聴覚障害の研究室があり、そこに入れてもらえることになりました。きっかけは、障害をやろうというのではなくて、子供が好きだという、ただそれだけで、この研究室に入れていただきました。聴覚障害を持ったお子さんが通ってきて、発音訓練、聴き取り訓練をしているところだったのですが、そこでゼロから、聴覚障害について教えてもらいました。
 その後、平成元年に、名古屋市のリハビリテーションセンターができました。その開設メンバーとして、今でいう言語聴覚士(ST)として就職しました。言語聴覚士という国家資格は、最近できたもので、当時はありませんでした。今年の3月に4回目の試験があったところです。そこで、失語症とか、構音障害という、いわゆる脳血管障害の後遺症で、言語障害を持っている方の訓練をしていました。ですから、私はもともと聴覚や言語、失語症といった訓練に携わってきたのです。
 その後、東京都心身障害者福祉センターに就職しました。まず幼児科に入って、次に技術援助科情報係、これは事務の仕事でしたが、それから身体障害相談課視聴覚言語判定係という3つをまわりました。最初は幼児科ということで、就学前のお子さんを、どんな障害であろうが、そこで見るという形のところでした。最後のところは、今回の話にもちょっと関わりますけれど、身体障害者手帳に関係しています。視聴覚言語判定係ということで耳、特に聴覚障害の手帳に該当するかどうかということが目的で来られる方への対応ということを前提にしていたのですが、実質は「聞こえ」の相談です。補聴器が役に立つか立たないか、使った方がいいのかどうかということも含めて、補聴器に関する相談にのることを実質的にしていました。70歳くらいの方がピークの来所者で、1年間に千人くらいはみえました。今でも、特に高齢の方は、補聴器について理解してなくて、その重要さがあまり認識されていないのではないかと思っています。今私が一番やりたいと思っている研究テーマは、高齢の難聴の方の聞こえの問題、どうすればハンディキャップがなくなるかということをやりたいと思っています。

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