ロシア文学の再解釈と映画化 ―最近の傾向をめぐって― 
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はじめに

 私の専門は近代ロシアの歴史です。文学も映画も専門ではありませんが、映画は好きなのでいろいろ見ており、集めたビデオなどを紹介しながらお話をします。
 今年の夏モスクワに行ったときに記録映画を撮っている知人に会いましたら、嘆き節でした。(資料より:「ソ連時代と比べると自由に映画を作る環境が生まれたが、現実にはロシアで制作される映画数は激減した。ハリウッドの映画や、暴力とセックスの映画ばかりだ。おまけに海賊版まで横行している。さらに外国の名画、例えば日本の溝口、小津、黒澤などの映画を見る機会も減った」)ソ連時代にはゴスキノ(国家映画委員会)があり、一応今でもありますが、主としてモスクワやレニングラードの映画会社、モスフィルムとかレンフィルムなどがゴスキノのもとで映画を作っていました。国家の保護の半面で非常に厳しい検閲があり、これを通るために工夫をして、いろいろな作品ができました。

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