5章 高度なテクニック

 
 この章では、ちょっと高度なホームページ作成技術について学習します。
 
 
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フレームの概要

 高度な技術の1つとしてフレームを説明します。
 フレームは、WWWブラウザのウインドウを複数に分割し、分割された各ウインドウに違ったファイルを表示させたり、個別にスクロールや表示内容の切り替えといったことができるものです。

 フレームの構造は、ウインドウを分割するためのフレーム定義HTMLファイルが1つあり、定義内容に従ってウインドウがフレーム分割され、それぞれのフレームにHTMLファイルが表示されるという形になっています。
(分割されてできたフレームをさらにフレーム分割することもできます)

フレームの分割例 左の例は、ウインドウを4つに分割した例です。
 フレームの分割は、まず左右に分割し、左側フレームのHTMLファイルを指定します。
次に、右側を上中下と3つに分割し、それぞれのフレームのHTMLファイルを指定します。
最後に、それぞれのフレームにHTMLファイルを表示すると左のような状態となります。

(上の例では、フレーム分割に1ファイル、それぞれのフレーム内容を表示させるために4ファイルの計5ファイルが読み込まれています)

 
 
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フレームを使ったホームページを作ってみよう1

 それでは、簡単なフレーム分割をしてみましょう。
 フレーム分割を行うには、FRAMESETタグFRAMEタグを使用します。
FRAMESETタグはBODYタグの代わりに記述し、FRAMESETタグの開始タグと終了タグの間にフレームの数だけFRAMEタグを入力します。
<FRAMESET [COLS,ROWS]="分割幅,分割幅">
  <FRAME SRC="表示HTMLファイル名">
  <FRAME SRC="表示HTMLファイル名">
</FRAMESET>
FRAMESETタグのオプションであるCOLSとROWSは、フレーム分割の割り方であり、COLSは縦割りの時に、ROWSが横割りの時に使用します。
COLSとROWSの値は、縦や横に分割するときのフレームの幅で、ピクセルまたはウインドウサイズとの割合い(%)で指定します。
下の例では、NAMEというFRAMEタグのオプション属性を使って、各フレームに名前を付けています。
例:<HTML>
  <HEAD><TITLE>フレーム定義練習</TITLE></HEAD>
  <FRAMESET COLS="100,*">
    <FRAME SRC="1.htm" NAME="1">
    <FRAMESET ROWS="30,*,20">
      <FRAME SRC="2.htm" NAME="2">
      <FRAME SRC="3.htm" NAME="3">
      <FRAME SRC="4.htm" NAME="4">
    </FRAMESET>
  </FRAMESET>
</HTML>
上記のように記述したHTMLファイル(frame.htm)を開くと、フレーム内容HTMLファイルの4ファイルが表示され、1節の図のようになります。
 
 
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フレームを使ったホームページを作ってみよう2

 フレームには、個々に名前を付ける事ができます。
フレームの名前を利用して、指定したフレームにHTMLファイルを表示させることができます。
 フレームの名前を指定してHTMLファイルを表示させるには、リンク設定の時に使用したAタグを使います。
Aタグの使い方は同じですが、フレームを指定する場合は、Aタグのオプション属性であるTARGETにフレーム名を設定します。
<A HREF="リンク先" TARGET="3">ボタンとなる要素</A>

frame2.htmでは、左側のフレームの1という文字をクリックすると、右側の3というウインドウが黒くなります(背景の黒いHTMLに切り替わります)。

 またフレームを指定する時に使用するTARGET属性に”top”や”_top”を設定することにより、”top”では新しく開いたウインドウにHTMLファイルを表示し、”_top”ではフレーム分割されているウインドウの分割を解除してHTMLファイルを表示することもできます。

 
 
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リスト表示を使ってみよう

 リスト機能は、インデント(字下げ)により簡単なレイアウトや、項目の列挙などに使用されます。
 リストには、リスト定義タグとしてULタグOLタグ、項目定義タグとしてLIタグが使用されます。
また用語を説明するときなどは、DLタグがリスト定義タグとして使用され、項目定義タグとしてDDタグや強調表示用のDTタグが使用されます。
リスト名目
<UL>
  <LI>項目内容</LI>
  <LI>項目内容</LI>
</UL>
リスト名目
  • 項目内容
  • 項目内容
リスト名目
<OL>
  <LI>項目内容</LI>
  <LI>項目内容</LI>
</OL>
リスト名目
  1. 項目内容
  2. 項目内容
リスト名目
<DL>
  <DD>項目内容</DD>
  <DD>項目内容</DD>
</DL>
リスト名目
項目内容
項目内容
 ULタグは、行頭文字(・や■など)付きのリスト表示です。
 OLタグは、ナンバリング(番号付け)されたリスト表示です。
 DLタグは、何も付かないリスト表示となります。
ULタグの行頭文字はオプションで、白丸や黒四角(■)に変更することもできます。
OLタグの開始番号や種類もオプションで、変更することができます。
 
 
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動く画像を貼ってみよう

 ホームページのアクセントとしてよく利用されるものにアニメーションGIFがあります。
 アニメーションGIFは、紙芝居のように画像が切り替わるもので、ループ(繰り返し再生)させることもできます。
またアニメーションGIFは、GIF画像形式の拡張機能であるため、ホームページに表示させる場合もGIF形式の画像を表示させる場合と同様にIMGタグを使用します。
(記述の方法も普通のGIF形式画像と同じです)

例:<IMG SRC="animgif.gif">アニメーションGIFの例
 しかし、作成する場合は、GIFアニメーションの作成機能を持ったソフトウェアでないと作ることができません。
作成ソフトには、フリーウェアやシェアウェアのような簡単なツールから、アドビ社やマクロメディア社が開発したホームページコンテンツ作成ソフトまでいろいろあります。
 
 
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高度なレイアウトテクニック

 ホームページを美しく、しかも見やすくするには、文字や画像の周りにスペースを持たせて配置(レイアウト)する必要があります。
フレーム機能やテーブル機能を使用しても限界があります。
そこで奥の手としてよく使用されるのが、見えない画像を表示させる方法です。

 見えない画像とは、いったいどうすれば準備できるのでしょうか?
それは、GIF画像形式の拡張機能とされている透過GIFの画像を作成すればいいのです。
透過GIFは、画像の一部または全部が透明というもので、画像が透けて背景がみえるというものです。

 テクニックとしては、縦1ピクセル、横1ピクセルの透明なGIF画像を、IMGタグのオプション属性WIDTHとHEIGHTで拡大し、使用します。

例:<IMG SRC="blank.gif" WIDTH="50" HEIGHT="30">
拡大透過GIF 見えるように枠線を表示しています。

このテクニックを使うと、

あいうえお
かきくけこ
さしすせそ
たちつてと
なにぬねの

といったことも簡単にできます。

 ホームページ作成に必要な基礎知識は、これで一通りお伝えしました。
あとは、みなさんがタグを駆使し、思う存分センスを発揮して、最高のホームページを作り上げるだけです。

 すばらしいホームページを期待しています。
 
 

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