本展は、平面である紙素材から立体が生まれ、カラクリへと展開する過程や、手を使ってつくる「ものづくり」の基本的要素を楽しく学ぶ企画展です。
デザインと遊びをテーマにした秋山泰計(あきやま たいけい)の作品は、実際に手にして動かすことで驚きと笑顔をもたらす芸術作品です。その中でも、「おびからくり」は、デザインの分野に遊びと造形に必要な空間認識力や数学的知識が盛り込まれています。
昭和2年(1927)香川県高松市に生まれた秋山氏は、昭和31年(1956)に東京芸術大学彫刻科を卒業してすぐに、ブラジルのサンパウロに移住しました。そこで、日本では見られないほど大きな合板を見つけ、版木として用いることを思いつき、大学で学んだ彫刻に技術を活かした木版画制作に取り組みます。
6年間のブラジル生活の後、昭和38年(1963)から7年間は高松工芸高校デザイン科で教員として指導にあたりました。その実習課題を考える際に、日本の伝統工芸品である「パタパタ」や「板返し」と呼ばれる平面的なカラクリ玩具を立体的に応用した「おびからくり」を考案しました。
遊び心が詰め込まれた構成の版画や、人を驚かせたり楽しませたりする色彩豊かなおびからくりなど、秋山泰計の表現する不思議な世界をお楽しみください。
「平面→立体→カラクリ展 ―秋山泰計の世界―」
■会期
前期 7月6日(土)〜8月4日(日)
後期 8月7日(水)〜9月16日(月・祝)
■休館日
月曜日、火曜日、7月17日(水)、8月14日(水)
(※ただし、7月15日(月・祝)、8月12日(月・祝)、9月16日(月・祝)は開館)
■観覧時間 10:00〜17:00(観覧券の販売は16:30まで)
■観覧料 高校生以上400円(320円)、中学生以下無料
※( )内は前売り、20名以上の団体、または高浜市内居住者料金
:前売りは、かわら美術館と刈谷市美術館で販売(7月5日(金)まで)
※ 75歳以上の方、各種障がい者手帳をお持ちの方ほか、割引あり
■後援 愛知県教育委員会、高浜市、高浜市教育委員会、高浜市観光協会、名古屋鉄道株式会社
■協力 香川県立ミュージアム