![]() デカルトによる哲学の4つの規則 |
そもそも、現代において人々は自らの行為を自覚して反省し、自らのなした行為とその影響に関して責任を負う能力がある、あるいは理念的な意味で負わなければならない存在として生活しています。これは道徳的責任と法的責任の主体としての個人が、自分の行為に対して、絶えず反省的にモニタリングしていることです。これはデカルト以来の近世ヨーロッパの考え方ですが、自分の行為の意味を、あるいは自らの存在の意味を自分自身で探し求めて、それぞれの仕方で自分の物語を作り上げているのが、近代の人間の特徴です。例えば、特定の宗教観の中で自分を位置づけることも可能ですが、それを無批判的に受け取るシステムにはなっていません。宗教的なものを信じるにしても、それは自覚的に自分で選び取ることになるのです。
![]() キルケゴールの『実存』の三段階 |