地域活動/まちなかでの子ども集団の育成(名古屋市)「瑞穂こどもまつり」と「あそび探偵団」目次へ

 住宅密集地の中にある生涯学習センターの横には比較的大きな公園が残されていて、子どもたちの遊び場となっている。
 生涯学習センターの事業である子ども祭りは、毎年実行委員会を組織して準備されるが、その核として子ども実行委員会が遊び内容を決める重要な役割を担ってきた。小学校3年から中学校3年までを対象とする子ども実行委員会は、生涯学習センターと共同して手作り遊びを学ぶ講座を事前に「遊び探偵団」として実施する。遊び文化を問い直し、創造する主体がつくられている。

1 経過
・ 昭和58年社会教育センター(現在の瑞穂生涯学習センター)の主催事業として始まる。
・ 昭和63年から実行委員会と同センターとの共催事業となる。
・ 平成5年に子ども実行委員会を組織
2 内容
(1)春の子どもまつり
@組織 
・こども実行委員会 60〜70人(10人弱の大人も参加)
・実行委員会全体  約200人(職員を含む)
A目的
・「あそび」を切り口に子どもの自主性・創造性を引き出し、「あそび」を通して子どもをめぐる環境や「あそび文化」を問い直していく。
・住民とともに行う地域づくり
B活動内容
・公園でグルメ(みんなでいっしょに“もちつき隊”)
・のこぎりと仲良く(木で樹を作ろう!)
・みんなでつくるミュージカル「さんねん峠」 など
(2)「あそび探偵団」(講座)
@ 経過
  平成7年から「こども実行委員会」の核となる子ども集団の育成を目指し、生涯学習センターの講座として「あそび探偵団」を企画
A 目的 
・学校外の異年齢の仲間づくり
・手作りのあそびを大切にし、遊びを創りあげる主体となっていくための援助を行う。
B 対象
  小学3年生〜中学3年生
C 取り組みの概要
  第2・第4土曜日及び日曜日に6回の講座を実施
  基本的には子どもたちが主体となっているが、講師・講師の手伝いや子どもたちのサポートをする助手も地域や生涯学習センターで活動しているサークル・団体のメンバーが中心となって活動している。
3 成果と課題
 (1)“春のこどもまつり”は同センターの主催事業として始まっているが、後に利用者の実行委員会との共同・共催事業として継続・発展させてきている。
 平成5年には、子どもたち(小3〜中3)の意欲やアイデアを大切にするとともに、すべての子どもの“出番づくり”を目指して前進している。
 同センターでは学校休業日を活用し、子ども実行委員会の核となる子ども集団づくりを目指した講座として「遊び探偵団」を企画し、バックアップしている。
 (2)課題
   この取り組みは、まだイベント的な企画にとどまっている。
2002年度から完全実施される学校週5日制に備え、年間行事化するとともに、遊び基地としての拠点(居場所・溜まり場)づくりが何よりの課題である。
また、春の子どもまつりや遊び基地の企画・運営は子どもの権利条約の内実化を目指し、名実ともに子どもたちだけでやれるようにしていくことも課題となっている。

連絡先  瑞穂生涯学習センター  TEL 052─871─2255