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伝統芸能と人とのつながり(棒の手) 志村美和 今,私達がここに在るのは,お父さん,お母さんがいるから。そしてそのお父さん,お母さんにもそれぞれお父さんお母さんがいる。おじいちゃんおばあちゃんにも・・・。私達の知らないずっと昔からつながっている大切な命。そして今,この日本の愛知県春日井市という所に集まった私達。特に私達の町はちょっと子どもの数が少ないけれど少なくてもとってもいい事があると思います。学校では"縦割り"と言って兄妹だけじゃなく,小さい子から大きい子がみんなで仲良く遊べる時間もあります。だからみんなのお名前もよーく知っているし,大きい子が小さい子に接している時の姿はとてもほほえましく心が温かくなります。 地元では"棒の手"という昔から伝わる郷土芸能があります。そこでも地元のおじいちゃん達が集まり,子ども達に一生懸命教えてくれたり,1年生の頃,6年生のお兄さん達に優しく教えてもらったように,自分が今度6年生になった時,1年生の子に丁寧に教えている姿はとてもうれしく見ています。そんな子ども達には"自分だけ"でなく,"友達"にも"小さい子"にも"おじいちゃん,おばあちゃん"にも優しく思いやれる人になっていってほしいです。 そしてこれからもずっと大切に伝えていって欲しい棒の手,その棒の手に携われる地元の一員である事を誇りに思っていって欲しいと願います。 自然を子どもたちに 小川茂徳 子どもが外で遊ばなくなり,低・高学年と交ざって遊ぶ機会が減ってしまい,情操教育の一つである,同世代からの教えというものが減ってしまったようです。子ども同士なら,楽しい所や怖い所へ,大きい子や小さい子が一緒になって遊びに行き,美味しい蜜の草花を楽しんだり,虫や魚を追いかけ廻したりし,自然との触れ合いの中で,自分の強さや弱さをさらけ出し人間を理解していく,子ども同士だから伝わるものが,なんと多いことでしょうか。 『楽しい事や怖い事』,親や先生が幾ら言っても聞か無い子が,子ども同士だと,神の掲示の様に理解し呼応し感動する。特に善悪を見極める力は,子どもだけのほうが理解が早い様に思えます。大人には『たわいない』と思える事が,子どもには重要な通過点で有り,必要なものがあるのでしょう,最近は,治安の悪化で外で遊ばせる事をはばかるご時勢,学年を越えた課外授業や活動の場を,もっと与えれば良いのですが。 おにぎりのおいしさを知ってほしい 伊藤早百合 日曜日の朝は,寝坊したいな。 でも,頑張って早起きをして,おにぎりをにぎります。わが息子が,野球の練習に出掛けるからです。 今日は,試合のようだね。ユニフォーム姿が格好いいよ。「応援に行くからねー」というと,「来なくていいよ。出番ないから」と少々弱気。 「大丈夫,大丈夫。未来のイチローだもの。」と大きな声で,励ましてみたけど,すでに,玄関を飛び出して行った後だ。聞こえてたかどうか…。 ま,いいや。 実のところ,私だって新入りの息子に出番があるとは思ってない。出番があろうと,なかろうと,そんな事は問題ではない。チームの勝敗に,共に笑い,共に泣く,そんな仲間をみつけてほしい。 思いきり動いた後の,おにぎりのおいしさを知ってほしい。一人で家にいたって経験できない,貴重な体験。 そういうことを,たくさん学んでほしい。だから,母さん,応援に行くよ。それぞれの思いがある日曜日が,又来るね。 地下道清掃をとおして 落合 聡美 毎月第1土曜日早朝9時から神屋小6年生全員が1回5〜6名のグループに分かれて通学路である地下道の清掃を行います。私達補道部もまた地域ごと3名ずつ子ども達と一緒にそうじを手伝います。 階段を上から掃きおろし溝にはまったごみをひろい集めます。国道19号の下を通る地下道で1か月ごとの清掃では,ごみも汚れもすごいものです。 心ない大人達(人達)が捨てていったと思われるタバコの吸いがらや酒やジュースのあきびん,食べ残しの弁当,はては,小便といったモラルのかけらもなく恥ずかしい物です。しかし子ども達はもくもくと掃き続け,側溝のごみをひろい集め,各自が用意してきたペットボトルに入れてきた水をまいていきます。 学校で決められた当番だからと小言をいう子ども達はいません。きれいになると気持ちいいから,毎日通う道路だから,子ども達の淡々として稟とした態度はすがすがしいものです。 1時間弱の清掃のあと道具を返して「ありがとうございました」と一礼して帰っていく後ろ姿に,「ご苦労さま」「本当にありがとう」と声をかけたくなりました。 |