平成26年度愛知県民俗芸能大会〜犬山市大会〜

 この大会は、国、県及び市町村指定の無形民俗文化財等を順次公開し、その保存・伝承を図るとともに、民俗芸能への理解と認識を深めることを目的とし、昭和48年度から開催され、前回までに61会場で実施し、延べ316団体が出演しました。

<開催日> 平成26年9月28日(日)
<場 所> 犬山市民文化会館
<主 催> 愛知県教育委員会  犬山市  犬山市教育委員会

くさかべたいこ
日下部太鼓・・・昭和52.11.1 市指定無形文化財

 日下部太鼓は、江戸時代後期に現在のあま市七宝町へ日下部の青年が太鼓・笛を習いに出かけ、地元に伝えたのが始まりといわれています。
 道行太鼓は、年番の宿元から神社までと、神社から神社までの道中などで演奏され、小道行・大道行・玉垣囃子・釣り上げ・梵天囃子・下りがあります。現代風に言えば行進曲です。道行太鼓で神社に到着すると、諸神事の時に神前に奉納する太鼓舞である巫女太鼓が演じられます。この他、和太寄世・神来舞・四ツ節・豊年囃子と、笛が入らず大太鼓と付け太鼓のみで演奏する茜囃子があります。
 日下部太鼓は神楽太鼓ですが、激しい曲もあります。また、合わせ太鼓とも言われており、笛と太鼓の息の合った絶妙な演奏をお聞きいただきたいと思います。

<出演団体> 日下部太鼓保存会(稲沢市日下部)
<上  演> 立部神社(7月第3か第4土曜日こがし祭り)等

ごてんまんざい
御殿万歳・・・昭和44.9.27 市指定無形民俗文化財

 東海市は尾張万歳を伝承する地域の一つであり、「御殿万歳」は市の無形民俗文化財に指定されています。
 七福神が出てくる御殿万歳や、正月に家々を回った門付万歳、歌舞伎の名場面を、胡弓、三味線、鼓を伴奏に演じる三曲万歳を伝承・保存しています。
 今日ご覧いただきます御殿万歳は、「陰陽。鶴は千年、亀は万年…」から始まって、家を建てる時の役柱の一本一本に神様をお招きして家を造り、正月の飾り物を置いて御門を開いたところへ七福神が舞込むという、めでたいものです。
 江戸時代には、正月に万歳の鼓の音を合図にめでたく門を開くことを恒例にした大名屋敷も多くあったと言われています。
 名古屋御園座の正月初日には、私どものこの万歳の鼓の音で幕が開くとされ、40余年にわたり親しまれてきました。

<出演団体> 東海市万歳保存会(東海市加木屋町)
<上  演> 不定期(1月市内外の老人施設等)

やすらのぼうのて
安良の棒の手
・・・昭和31.6.21 県指定無形民俗文化財

 「真影流安良の棒の手」は、文久元年(1861)に名古屋の野田村(現中川区野田町)から伝わったものです。護身術の武具として六尺棒、鎌を使い始めましたが、後には刀・なぎなた・槍・鎖鎌をも使うようになりました。
 真影流の服装は木綿の半天・紺股引・白たすき等で、農夫が常日頃着用する物が主体であり極めて地味です。しかし、棒術は気合が鋭く、激しい動きで短時間で勝負が決まるのが特徴です。昭和31年に愛知県無形民俗文化財に指定されました。現在、30手程ある術は区内に住む保存会員によって継承され、毎年地元の安良八王子社の秋季祭礼に奉納することを通じて、この大切な宝物を永遠に伝承すべく研鑽に励んでいます。

<出演団体> 安良棒の手保存会(江南市安良町)
<上  演> 安良町八王子社境内(10月第3日曜日)

いぬやままつりのやまぎょうじ(うおやちょうぐみ)
犬山祭の車山行事(魚屋町組)・・・平成18.3.15 国指定重要無形民俗文化財

 寛永12年(1635)、魚屋町と下本町が針綱神社の例祭に練り物を出したのが犬山祭の始まりといわれています。
 魚屋町の車山には安永3年(1774)に乱杭渡りのからくりが出現し、現在に至っています。日蓮人形が礼拝をした後、天上の星が割れて天女が現れます。次に高下駄を履いた唐子が登場し、6本の乱杭を1段ずつ上がっていきます。最後に唐子が梅の木にかかった巻物にぶら下がると、巻物が開いて「日月」の文字が現れ、日蓮人形が「日月」に礼拝し終わります。
 神社で「日蓮上人星下り」を奉納することは江戸期の神仏混合の習俗が見てとれます。また、何の支えも無く高さの違う杭を下駄で渡る「離れからくり」の高度な技法は日本初の二足歩行ロボットの原点である、とも言われています。

<出演団体> 犬山祭保存会(犬山市)
<上  演> 針綱神社前広場(4月第1土・日曜日)

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